はじめまして。UIデザイナーの松本です。
この記事では、先日弊社にて開催したDesignshipDoオフライン勉強会のレポートをお届けします。
(昨年に続き、今年も開催させていただきました。昨年の記事はこちら)
DesignshipDoオフライン勉強会とは
DesignshipDoとは
サービスデザインコース、プロダクト×チームコース、事業×組織コースの3つのコースから、デザインを基軸にビジネスを深く理解しながらリーダーシップを発揮するために必要な考え方と、現場に適応するための実践を学べる社会人向けスクールです。
筆者も第4期生としてサービスデザインコースに参加しました。
DesignshipDoオフライン勉強会とは
DesignShip Do第4期プログラムを受講された方々に、カリキュラムを通して得た知見やそれをどのように業務で活かしているのかをLT・パネルディスカッションで共有していただき、学びを深めることを目的とした勉強会です。
今回もブックウォーカーのオフィスで開催しました。
勉強会開始
はじめに、弊社サービスデザイン部の梅本から簡単に弊社のサービスやデザイン部での取り組みについてご紹介いただきました。
紹介が終わると、いよいよLTのスタートです。
LT① サービスデザインコース受講 Oさん
最初の登壇者は、プログラマーとして活躍するOさん。サービスデザインの手法を自身のキャリア成長に活用するというユニークな視点からの発表でした。
現在のシステムエンジニアという立場(AS IS)から、将来的なアプリケーションのテックリードという目標(TO BE)に向けて、ジャーニーマップを活用して課題を可視化。見積もりやスケジュール管理の苦手意識、進捗報告のタイミングなどの課題に対し、PMフレームワークの学習やプロジェクト関連資格の取得という具体的なアクションを導き出しました。
「研修を通じて最も得られた知見は、ジャーニーマップが様々な場面で活用できるということ」とOさんは語ります。将来的にはCS活動などの業務にも応用していきたいとの展望も示されました。
筆者が感じた注目ポイント
本事例で注目すべきは、デザイン思考の手法を自己のキャリア開発という個人的な文脈に適用した点です。特に、家族もステークホルダーとして位置づけた包括的なアプローチは、キャリア設計における新しい視点だと感じました。
LT② プロダクト × チームコース受講 Tさん
7名のチームを率いるTさんは、「ビジネス層が期待するアウトプットが出せていない」という課題に直面。特にミドル層の育成を通じたチーム全体の底上げが必要な状況でした。
特に印象的だったのは、チーム内の「ミドル育成」における実践です。最も伸びしろのあるメンバーに対して集中的な伴走支援を行い、以下の3つの課題に取り組みました:
- ビジネス層からの依頼をデザイナーが理解できていない問題
- 手戻りの頻発
- システム的な実現性が不明確なデザインの提案
それぞれの課題に対して、ビジネス目的の明確な伝達、早期フィードバックの仕組み作り、開発部門との連携強化などの対策を実施。結果として、チームの業務効率が大きく改善されました。今後は「ミドルがジュニアを育成できる組織」作りを目指すとのことです。
筆者が感じた注目ポイント
本事例で注目すべきは、個別の課題解決にとどまらず、チーム全体の成長モデルを構築した点です。特に、ミドル層への集中的な支援を通じて、将来的な「ミドルがジュニアを育成できる組織」という明確なビジョンを示している点に注目しました。
LT③ 事業 × 組織コース受講 Hさん
最後に登壇したHさんは、デザイン会社の代表という立場から、より大きな視点での変革について語りました。
Hさんは「広がりすぎたデザイン」という現代の課題に直面し、「プレイヤー」と「マネジメント」の役割間で葛藤していた経験を語りました。この問題に向き合う中で、自身の提供価値を見直すためにDesignshipDoに参加することを決意されたそうです。
研修を通じて、Hさんは自身のデザインの定義とその提供価値を再確認し、自社のブランディングを見直すきっかけを得たと語っていました。現在、Hさんは「企業理念の浸透とスタッフ主体の組織化支援」という形で価値提供を行い、研修で学んだ内容を実践に活かしているとのことでした。
筆者が感じた注目ポイント
本事例で注目すべきは、「広がりすぎたデザイン」という課題に取り組む中で、自身が提供する価値を再評価するプロセスを経たことだと感じました。このプロセスを通じて、新たな方向性を見出し、その方向性を具体的な価値提供の形に見事に昇華させた点に注目しました。
パネルディスカッション
LTに続いて、3名の登壇者によるパネルディスカッションを実施しました。
筆者はモデレーターとして参加し、以下の3つのテーマについて議論を深めていただきました:
- デザインシップのカリキュラムで最も印象に残った点
- 研修後の実践における成功・失敗体験
- 継続的な学びの方法
各登壇者が異なるバックグラウンドと経験を持っているため、多様な意見やアプローチが共有され、非常に興味深い内容となりました。
モデレーターとしての気づき
パネルディスカッションを通じて最も印象的だったのは、「役割による視点の違い」です。
個人、チームリーダー、経営者という異なる立場からの視点が共有され、デザイン思考が個人のキャリア開発から、チームマネジメント、そして経営戦略まで、その適用範囲の広さと深さが確認できました。
最後に
本イベントでは、個人・チーム・組織という3つの異なる視点から、研修の実践事例が共有されました。それぞれの立場や役割による視点の違いが、「デザイン」の豊かな可能性を示す結果となりました。
筆者も今後、継続的な学びと実践を重ねながら、組織全体でデザインの価値を浸透させることを推進していきたいと考えています。
また弊社では一緒に働く仲間を募集しています。
継続的に学びながらデザインの価値を高めたいとお考えの方は、ぜひ採用情報ページをチェックしてみてください。