はじめに
こんにちは。 Webアプリケーション開発課の今永です。 2025年3月23日に開催されたAgile PBL祭り2025にスポンサーとして参加しました。 この記事では、Agile PBL祭りに参加しての感想や得られた学びについてお話しします。
Agile PBL祭りとは
Agile PBL祭りは、大学のカリキュラム等を通じてアジャイル開発を実践した学生たちが、開発の中で学んだことや開発したプロダクトについて発表するイベントです。 また、単なる成果発表だけの場ではなく、学生と社会人の相互学習と交流を含めた「お祭り」の場でもあります。 今年が6回目の開催で、学生、社会人合わせて100人程度が参加していました。
印象に残ったセッション
特に印象に残ったセッションを2つ紹介します。
アジャイル開発で挑戦した! ~LINE通知を活用した深層学習ベースのゴキブリ検出システム~
LINE通知を活用した深層学習ベースのゴキブリ検出システム - Confengine
ゴキブリを検知するとLINEに通知し、事前の対策を可能にすることで安心して帰宅できるようにするためのシステムを開発したという発表でした。
このチームはシステムについて細かくフィードバックをもらいながら開発を進めていたそうです。 例えば、初めはLINE通知にゴキブリの出現時刻や出現地点とともに検知時に撮影した写真も送信していたそうですが、「写真であってもゴキブリは見たくない」というフィードバックを受け、写真のゴキブリ部分をイラストに置き換えるという工夫をされていました。 また、元々赤外線センサでゴキブリを検知していたところ、「赤外線センサはゴキブリの検知には向かない」というフィードバックを受け、超音波センサを使うように改良が加えられていました。
システムのユニークさに加え、フィードバックを基にプロダクトを改善していく姿勢が印象的でした。
Agile・iOS開発・AI学習において未経験の私たちがiOSアプリを配布できた理由~
Agile・iOS開発・AI学習において未経験の私たちがiOSアプリを配布できた理由 - Confengine
外国人向けの標識認識補助アプリ「signavi」を開発し、App Storeでのリリースまで行ったという発表でした。 読み取った標識の内容を音声通知してくれるアプリで、日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語に対応していました。 国が異なれば標識が異なるのも当然ですが、普段ほとんど意識することのない点だったため、目の付け所が鋭いなと感じました。
このチームは週一回のデモ会によりフィードバックを収集してアプリの改善につなげていたそうです。 しかし、それでも重要な標識の選定や実際の使用感の向上などに課題があったとのことです。 こういった課題に対応するために、警察署に赴き意見を求めたり、TestFlightによりアプリを配布したりしてフィードバックを収集していたということを発表でおっしゃっており、行動力が非常に高いなと感じました。
発表の当日にはすでにApp Storeで正式リリースされており、また動作確認用のデモ動画も準備されていました。 総じて完成度が高く、印象に残っています。
参加しての感想
より良いプロダクトを素早く開発するためには開発とフィードバックのループを迅速に繰り返すことが重要であると感じました。 紹介した2チームは、どちらもフィードバックを基に改善を繰り返すことで完成度の高いプロダクトを開発していました。 この改善のループの回しやすさがアジャイル開発の強みの1つなのかもしれないと実感しました。
また、学生の熱意も印象的でした。 紹介したチームに限らず、どのチームも熱意の高い方ばかりでした。 中にはチーム開発の経験がほぼないメンバーが多い中でもプロダクトを完成させていたチームもあり、驚きました。 このような強固なチーム作りが可能なこともアジャイル開発の強みの1つなのかなと感じました。
おわりに
アジャイル開発について知らないことも多い中での参加でしたが、学生の皆さんの熱意やプロダクトなどから多くの刺激を受け、楽しい時間を過ごすことができました。 アジャイル開発の強みを目の当たりにしたことで、アジャイル開発についてもっと学びたいと感じました。 また、「フィードバックを基に改善していく」という考え方は、業務に限らず様々な場面で活かせそうだという気づきを得られました。 今回得られた気付きや学びを今後に活かしていきたいです。