Data Portalでアプリのデータを可視化しよう
こんにちは、メディアサービス開発部アプリ開発グループのタンです。
作ったアプリがどう使われているかは誰しも知りたいですね。頑張ってAnalyticsでイベントを実装して、BigQueryにも連携させたのに、なかなか活用されないケースが多いでしょう。
集めたデータを見る機会も少なく、数字だけで見にくくて解釈するのに時間がかかります。そんな問題を解決するためにGoogleさんがGoogleマーケティングプラットフォームの機能の一つとしてData Portal(旧Data Studio)を2016年にリリースしました。今回はそんなData Portalの簡単な使い方を紹介したいと思います。
事前準備
当たり前ですが、Data Portalを使うにはまずデータが必要です。BigQuery、スプレッドシート、CSVファイル、様々なインプットが使えますが、今回は分かりやすくスプレッドシートを使います。
以下のカラムを作成したダミーデータで埋めていきます。
- ID(ユーザーID)
- 年齢
- 日付
- 金額(課金額)
データは2022年2月の課金イベントをイメージしたものです。
それでは、作成したスプレッドシートの課金ユーザーの年齢層と年代別の売上を表示するレポートを作成しましょう。
レポートを作成
まずData Portalにログインします:Google Data Portal Overview
作成 > レポートを選択すると新しいレポートが開いて、データソースの選択を聞かれます。Googleスプレッドシートから先ほどのスプレッドシートを選び、追加します。設定はデフォルトのままで問題ないです。データソースを選択したら、グラフが作成されますが、一旦消します。
次のステップにグラフを作成しますが、その前にグラフのことを学んでおくと良いでしょう。
グラフにはたくさんの種類があります。棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ、それぞれに用途がありますので、正しく使うのも可視化の大きなポイントです。
今回はGoogleの記事を参考に選んでいきます:How to choose the best chart or graph for your data | Google Cloud Blog
グラフ作成
計算フィールド
まず、ユーザーの年齢層を表すグラフを作りたいが、年齢を年代ごとにグループ化しなければなりません。スプレッドシートにカラムを追加して年齢から年代を計算する方法もありますが、Data Portalだけでも解決できます。元々あるカラム(フィールド)に加えて、計算フィールドを定義することができます。
データソースの編集ボタン > フィールドを追加からフィールドを作成し、年代の計算式を入力します:FLOOR(年齢/10)*10。フィールド名は年代にします。保存して完了すれば年代のフィールドが使えます。
年齢層グラフ
年齢層のグラフを円グラフで表現します。グラフを追加 > 円グラフでグラフを追加して以下の設定を行います。
- 期間のディメンション:期間でフィルターすれば指定のフィールドを参照する。
- ディメンション:カテゴリーの軸。
- 指標:値の軸。
- 並べ替え:表示順番。昇順の年代で並び替えを設定
指標にIDだけを設定すると正しい値が出ません。スクリーンショットのCTDをタップするとメニューが表示され、集計方法を個別件数(CTD: Count Distinct)を選択します。そうすると、重複するIDが一回だけカウントされます。ユーザー数をカウントしたいときに便利な設定です。
売上グラフ
次は売上のグラフです。設定は以下の通りです。
- 種類:積み上げ面グラフ
- 期間のディメンション:日時
- ディメンション:日時、内訳ディメンション:年代
- 指標:金額。集計方法は合計です
- 内訳ディメンションの並べ替え:年代
料金について
Googleの多くのサービスと同様にData Portalの使用は無料になっています!
ただし、データの取得は別です。AmazonやMicrosoftの外部データベースの利用料金はもちろんですが、BigQueryなどのGoogleサービスの料金もかかります。
データの取得方法とData Portalの利用方法によって料金が大幅に変わるので注意してデータソースを選んでください。
おまけ
時間があれば、見た目の調整したり、グラフや日付フィルターを追加したりするといいかもしれません。また、Data Portalをそのまま共有することもできますが、サイトに埋め込むこと、PDFとして書き出すことも可能です。上級者なら独自のグラフまで作成できます。
終わりに
今回はダミーデータなので、データに意味がありませんが、本来はこうやってユーザー層の特徴やサービスの数字の推移などが確認できます。データが見えれば分析も捗りますし、数字が共有しやすくなりますので簡単なところから可視化を目指しましょう。