Apple TV +「Severance」に見る究極のワークライフバランスと独自の美学

こんにちは!デザイナーの趙です。

今回、近未来の新たな働き方を模索するApple TV+のドラマ『セヴェランス』についてご紹介したいと思います。会社を一歩踏み出すと、社内で起きたすべての記憶が自動的に削除される人々を描いた、究極のワークライフバランスがテーマのダークなコメディのようなホラー作品です。斬新の世界観が語る、さらに独自の美学と印象的なデザインを貫くため、デザイン好きも必見です。

Apple TV+ Pressより

目次

 

作品概要とあらすじ

マークは、手術で仕事と私生活の記憶を分離された社員たちのチームを率いる。職場以外の場所で謎の同僚から接触を受けたことで、彼らの仕事に関わる事実が明らかになっていく。 

Apple TV+ 『セヴェランス』より

 

まるでホラーのような幕開け

Apple TV+ 『セヴェランス』予告編より

ある女性が施錠された会議室のデスクの上で目を覚ます。 その会社は何をしている所なのか社員も誰も分からない。手術で仕事と私生活の記憶を分離され、自分は外でどんな人生を送っているのか、何も知らない。

「何かがおかしい」という感覚

Apple TV+ 『セヴェランス』予告編より

人気のない無機質なオフィスでマークたちが取り組む業務は、奇妙な数字を一定の法則で分類することだが、  それがいったい何を意味するかは知らされない。  隔離されていながら、交流と称した強制の集合写真撮影や、親睦を深めるためのイべントなどに違和感を感じ始める。だが外の自分は、辞表を出そうとはしない。

本当の自分を探す

ある事をきっかけに、自分は一体誰なのか、彼らの仕事に関わる真実が明らかになっていく…

独自の美学とデザイン                    

緑を基調としたミッドセンチュリーデザイン

Apple TV+ 『セヴェランス』予告編より

1950年代以降のアメリカといえば、オフィスデザインという新しい分野に人々は関心を寄せ、どのように効率的に仕事できるか?オフィスチェアはどのようなデザインであれば長時間座っていられるか?などなど、まさに機能性と大量生産性が追求された時代。なので、このドラマにはそんなミッドモダンなデザインがたくさん詰まっていて、デザイン好きは必見です。

Jeremy Hindle氏の製品設計「Lumonの美学」

Apple TV+ 『セヴェランス』予告編より

Apple TV+ 『セヴェランス』予告編より

廊下は人を迷わせたり、ねじったり、回したりすることを目的に設計されています。大きな部屋があるにもかかわらず、4人の労働者はスペースの真ん中にある机の集まりを介して一緒に詰め込まれています。 天井がとても低いので、極度の恐怖を感じます。

Apple TV+ 『セヴェランス』予告編より

古いMacをベースに設計されたコンピュータです。美しい青いキーボード には巨大なトラックボールが飾られています。さらに自動販売機のスナックなど細かい部分まで作り込まれていて、煉獄のような世界を反映したかのように、どこにも存在しないデバイスが設計されています。また、 オフィスの緑のカーペットも子供の遊び場とデザインされました。

シンメトリーな画面設計

Apple TV+ 『セヴェランス』予告編より

大きな特徴であるシンメトリーな画面設計がもたらす構成と動きの美しさにくぎ付けでした。シンメトリーにするために基本的に正面から撮っていて、さらに動きも水平垂直。

最後に

コロナ禍でリモートワークが増えたり、仕事とプライベートの境界線が曖昧になってきているのが私たち多くの人の悩みではないかと考えています。仕事とプライベートを分けると幸せになれるのか?仕事は仕事と割り切って、完全にプライベートとは分けたいと考える人もたくさんいるかなと思います。今回、『セヴェランス』が描いた仕事とプライベートとの完全分離を実現させた世界と会社員たちの悲哀を見たら、自分にとって仕事ってなんだろう?について新しい答えが出てくるのかもしれませんね。

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