こんにちは、しののめ(佐々木)です。
2024年3月2日に開催されたAWSユーザーグループの一大イベントであるJAWS DAYSに参加し、コミュニティにフォーカスしたセッションを聴いてみての話になります。
ブログサムネイルに利用している『JAWS-UG ロゴ』はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 4.0 国際 ライセンスで提供されています。
- JAWS DAYSとは
- なぜ参加したのか
- Keynote
- AWS支部 re:Surgence ~リブート支部代表たちによるパネルディスカッション~
- 地方在住フルリモートワークエンジニアのリアル 〜ジモトで“活きる“エンジニアライフ〜
- 参加してみて
JAWS DAYSとは
そもそもJAWS DAYSとはなにかということについてですが、公式にはこのように記載されております。
JAWS-UG(AWS User Group – Japan)は、日本全国に60以上の支部を持つ Amazon Web Services(以下AWS)のユーザーグループです。全国の各支部では、AWSに関する技術交流や人材交流が毎週のように行われ、AWSユーザーの技術力向上およびビジネスの拡大に寄与しています。
JAWS DAYSは主催JAWS-UG、後援アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社で行われるJAWS-UG最大のイベントです。全国のJAWS-UGメンバーが中心となってイベントの企画、準備を行い、最新技術からビジネス、ライフスタイルなどAWSに関わる幅広いテーマでセッションが予定されています。
-- JAWS DAYS 2024| About | Event
AWSのイベントとしてはAWS SummitやAWS Dev Dayがありますが、JAWS DAYSは日本のAWSユーザーグループであるJAWS-UGが主催するAWSユーザーグループの一大イベントです。
なぜ参加したのか
私自身AWSを触り始めたときにAWSの学び方や使い方を知るためにJAWS-UG初心者支部へ参加しておりました。
その後、専門支部で最新サービス情報や各社のユースケースをキャッチアップし、JAWS DAYSも過去何度も参加しています。
コロナ禍でのオンライン開催などを経て今年は久しぶりの東京でのオフライン開催ということでJAWS-UGのメンバーとして参加をしてきました。
Keynote
今年のKeynoteはAWSチーフエバンジェリストのJeff Barrによるもの。
頭では元AWSJ社長の長嶋さんがサプライズで登壇され、AWSはユーザーグループのお陰で広がったとJAWS-UGへの感謝を述べられていました。
長嶋さんの初めての登壇がJAWS-UG、そして最後の登壇がJAWS DAYSとなりユーザーコミュニティとAWSとの近さを改めて感じました。
Jeff Barr の Keynoteに、AWSジャパン 代表執行役員社長 長崎 忠雄がシークレットゲストとして登場しました!!🙌
— AWS公式☁️アマゾン ウェブ サービス ジャパン/クラウドサービス (@awscloud_jp) 2024年3月2日
長崎より #jawsug の皆さまへ、5年ぶりのリアル開催となったJAWS DAYS 2024のお祝いのご挨拶です🦈✨#jawsug #jawsdays2024 @jeffbarr pic.twitter.com/lENn2S5px9
キーノートへ戻り、自主的にAWSのドキュメントを現地語に翻訳したベトナムや韓国の大学生がはじめたユーザーグループでの世代交代と運営の話、そして日本のNRIさんやKDDIさんの社内コミュニティから外部コミュニティへのつながりの促進などの事例を交えながら、ジェフ自身がエバンジェリストとして世界各地を周ってきた経験を元にコミュニティ/ユーザーグループはみんなが自発的に行うから良いものであるという話をされていました。
話の中でジェフが成功とはどういうものか聞かれた際に日本のユーザーグループのことを思い出すと言っていたので、JAWS-UGが全国各地で幅広く活動していることはとても大きな成功なんだなと感じました。
AWS支部 re:Surgence ~リブート支部代表たちによるパネルディスカッション~
一度活動が下火になった組織をどうやってリブートしたかのセッションでした。
パネルディスカッション形式でリブートした各支部からの代表の経験が盛り沢山。
下記にセッション内容のメモを記載します。
セッションメモ
- 各支部の特徴
- 岡山支部
- 運営人数が少ない、主催が他のコミュニティ運営を掛け持ちしている(運営あるある)
- 同日・同会場、午前・午後でJAWSと別の勉強会を企画して懇親会は合同で開催
- Wordpressの勉強会を同時開催するとデザイナーさんが来てくれるなど、別分野の人とも交流できる
- 無理せず年1回を目標に開催
- クラウド女子会
- 働く女性が参加しやすいように休日の日中帯で開催
- 地域支部とのコラボ開催も
- エスコート枠として男性も参加可能
- 東北支部
- 県ごとの支部はあるが、東北支部がまとめている
- 各県のノウハウの共有がしやすく、協力しあえる体制がある
- 普通の支部はスケールアップを目標にしているが、東北支部はスケールアウトを目標としている
- 各県の開催に他の県から参加して、それぞれを盛り上げようという
- 各県のノウハウの共有がしやすく、協力しあえる体制がある
- 県ごとの支部はあるが、東北支部がまとめている
- 静岡支部
- 県に3つ(浜松/磐田/静岡)の支部がある
- 企業城下町として各支部それぞれの特徴がある
- 浜松はヤマハやスズキがあるのでものづくり系
- 静岡だとフロントエンド寄り
- 企業城下町として各支部それぞれの特徴がある
- 県に3つ(浜松/磐田/静岡)の支部がある
- 東京支部
- オンラインで開催
- LT枠が高速で埋まる
- 人が多いのでだんだんと専門支部に分かれていく
- 岡山支部
- なぜリブートしたのか
- HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)支部
- ただただその技術が好きだからリブートした
- 今年の1月にリブート、これから活動
- 実はAWSの話をあまりしない、CPUの話だったりNVIDIAさんが来たりしてハードウェアのアーキテクチャの話だったりをする
- パラレルクラスターやAWS バッチがHPCに当たると思うが、これからそこら辺の話をするかも
- ただただその技術が好きだからリブートした
- 東京支部
- ランチ時間にLTしたいから
- LTをしたいという思いがあったけど麻や夜の時間確保が難しい→じゃあランチタイムに
- ランチ時間にLTしたいから
- 佐賀支部
- リモートワークで地元にエンジニアが増加したから
- エンジニア志望者+AWS利用企業が増加
- 3回目のリブート
- リブートのときに他の支部からお祝い(+観光目的)で参加
- しかしその後運営や参加者に定着が難しい
- リモートワークで地元にエンジニアが増加したから
- 岩手支部(東北支部)
- 地元を盛り上げていきたい
- 地元のエンジニアが集まるところを作りたい、みんなと美味しいお酒が飲みたい
- 若い人が育ってもすぐ東京に行ってしまう
- コロナでIターン/Uターンが増えてエンジニアがコミュニティとしてJAWSを見つけて参加している
- 実際リブートしてみてコンスタントに参加者がいる
- HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)支部
- 運営で工夫しているコツは
- 佐賀支部
- 佐賀県DX推進・スタートアップ支援室の方とつながって、県が主催するイベントで利用しているSlackやMLで情報をながしてもらう
- コミュニティ支援を利用して勉強会を開催(広報支援、会場費支援)
- コミュニティに登録している他団体とのコラボ勉強会を開催
- クラウド女子会
- 地方支部とコラボして全国で開催
- 地方開催は基本オフライン
- 佐賀支部
- 人はなぜコミュニティを運営するのか
- HPC支部
- 人の輪が広がるから
- 参加して聴くだけはもったいない
- 登壇してみる、登壇が難しいなら運営に参加
- 静岡支部
- 他領域の人と知り合いに
- 他の業界/領域の人と知り合うことで様々な業界のクラウドの知見が得られる
- 岡山支部
- オフラインで会える、技術の話ができる仲間ができる
- HPC支部
セッションを聴いてみて地方支部での開催に対するハードルの高さを感じましたが、それ以上にハードルが高くても開催したいという情熱が伝わってきました。
私自身も地元秋田に戻った際には東北支部として、秋田支部として運営に関わってみたいと思いました。
地方在住フルリモートワークエンジニアのリアル 〜ジモトで“活きる“エンジニアライフ〜
地方在住で仕事されているKDDIアジャイル開発センター株式会社さんのエンジニアの方々のトークセッション。
「なぜ地方で働くことを選んだのか」についてのトークテーマでは「家族の田んぼがあったから」「当時の交際相手との関係を続けるのにちょうどよかったから」など、ご自身の事情を重視して移住していることに驚きました。
また、モデレータさんが「私含めみんな結構軽い気持ちで移住したんですよ」と談笑していて、 軽い気持ちでも移住してもいいんだと再び驚きました。
「地方移住でのメリット」ではやはり「家賃が安い」というのがありましたが、興味深かったのが「モチベの高いコミュニティに出会いやすい」「地元の課題を地元の学生と解決できる」というところ。
地方でコミュニティのイベントをやるというのはパワーが必要だと思いますし、首都圏ではなんとなく参加という人も少なからずいると思うので、わざわざイベントを開催する人、それに自分から進んで参加する人は必然的にモチベの高い方になるのかなと思いました。
地元の課題を地元の学生と解決というところはやはり産官学の連携は地方のほうがやりやすいのかもしれないと感じました。
私も地元に帰っての仕事を考えていたりするので実際に地方で仕事をされている方のリアルが聴くことができてとても参考になりました。
移住してやっていけるのかなどいろいろ不安がありましたが、リアルなお話を聴いてなんとかなるんじゃないかという気がしてきてきます。
(弊社でも長野在住で仕事をしているメンバーの地方在住に関する記事がありますので良かったらご覧ください。)
参加してみて
久しぶりのオフライン開催でのJAWS DAYSはチケットは完売で実際参加されたのが800名以上とのことで大盛況でした。
タイムテーブルを見てもらえばわかりますがJAWS DAYSは技術的なセッションもありますが、コミュニティにフォーカスしたセッションが多かったです。
今回私はコミュニティに関するセッションを中心に見てきたのですが、コミュニティを実際に運営している方の話を沢山聴くことができたのは非常にいい経験となりました。
AWSという技術でつながることができるAWS-UG、登壇者もスタッフもそして参加者もこのJAWS DAYSを楽しんでいるんだなというのを感じることができました。
引き続き私もJAWS-UGの一員としてコミュニティへ貢献、そして横のつながりを強めていこうと思います。