こんにちは!デザイナーの荒木です。
今回は、デザイナーの「他部署への越境」をテーマにお話ししようと思います。
私個人の経験や働き方の話が中心となりますが、「こんなキャリアパスもあるのか」や「ブックウォーカーのデザイナーってこんなことをしているのか」という知見になれば幸いです。
デザイナーとしてのキャリアパスの変化
2023年5月に「KADOKAWA DESIGNERS Meetup #3」という、デザイナー向けの採用イベントに登壇しました。その際は「UXデザイナーまでのキャリアパス」というテーマで、UXデザイナーにチャレンジするきっかけなどをお話ししました。
上記のように、私はグラフィックデザイナーとして新卒入社し、株式会社ブックウォーカーへ転職後はWEB・UI・UXと新たな技術・職能へとチャレンジする機会をいただきました。そして2024年、現在は新たなチャレジとして「主務:運営チーム」「兼務:デザイナー」という形で仕事をしています。
運営チームとは
その名の通りサービスを運営する部署で、ユーザーがよりサービスを楽しんでくれるように企画を考えたり、ユーザーや他社(弊社の場合、主に出版社)とやりとりをしている部署です。また、部署の体制による&頻度は少ないですが、時にはサービス改修の進行管理も担当します。
デザイナーが連携をとっているのは主に「アプリ・WEBエンジニア」と「運営チーム」の2部署です。案件の内容やアサインされた人のスキルによって一部変化しますが、だいたい下記の図のような形で連携を取ることが多いです。
今まで私の主な仕事は「デザイナーとして、運営・エンジニアと連携をとってデザイン案を作成する」ことでしたが、現在は「運営として企画・改修自体を自分で考え、デザイナーとしてデザイン案を作成する」という形に変わりました。
これまでは”デザイナー”という枠の中で新たな事にチャレンジしていましたが、今回はこの「他部署への越境」による個人的な気付き・学びがあったので、今回はここを中心にお話しできればと思います。
①運営チームの仕事内容の解像度が上がった
デザイナーが主務だった頃、運営チームと関わるのは先ほどの図にある通り「企画・改修でのやりとり」のみでした。しかし、運営チームのメンバーとして一緒に働いてみると、デザイナーだけの頃には見えてこなかった大小様々な仕事が見えるようになりました。例えば
- 出版社など他社とのやりとり
- ユーザーからの問い合わせや通報に対応
- 不具合などが発生した際の他部署への連絡&ユーザーへのお知らせ対応
- 週や月ごとにAUや売上などの数値をチェック
など。その他にも「こんなことまでやってたのか」と、細かな日々の仕事がたくさんあるということを初めて知りました。
②企画自体のゴールだけではなく「なぜやるのか」という視点が増えた
デザイナーの時は「自分がアサインされた企画のゴール = 達成したいこと」について、企画の担当者から説明をしてもらい把握していました。例えば「もっと会員を増やしたいので、検索流入の増加を狙ってこの特設ページを作成します」など。
しかし、運営チーム主務となった今は、私自身が「企画のゴール」を自分で考える立場になり、その結果「そもそもなぜこの企画をやる必要があるのか?」を明文化する必要が出てきました。先ほどの「会員を増やしたいので特設ページを作る」を例にすると
- サービスのKGI(経営目標達成指標)が”売上”である
- その売上を構成するKPIの中で、注力したいのが「会員による課金」の増加である
- しかしここ半年ほど、会員の数が右肩下がりになり、課金総額も減っている
- 会員1人の課金額を上げるのは限界があるため、サービスの認知度を高め、新たな会員を増やす必要がある
というように、大目的(KGI)から逆算して考えた上で「じゃあこういう企画にしよう→こういうデザインを作ろう」という流れに変わりました。
③自分のキャリアを活かした強みが見えてきた
運営チームのメンバーとして仕事をし始めた時は、とにかく何も分からず「役に立てない…自分は無力だ…」という気持ちが強かったです(笑)
というのも、主務が変わってから「数値を上手く読めない・分析できない」「マーケティング用語やビジネス用語がちんぷんかんぷん」「手法は考えられるが、目的が迷子になる」といった課題が山ほど出てきたからです。正直、今でも苦手なこと・課題はたくさんあります。
しかし、徐々にですが「デザイナーというキャリアがあったからこそ思いつくこと」や「デザイナーとしての技術・知識を活かして、より効率的に対応できること」がいくつか見えるようになりました。私の場合だと
- 資料作成がスムーズ(内容と一緒に構成・デザインも同時並行で考えられる)
- 特設ページをより効率的に運用する方法を考えられる(デザイン&コーディングを担当していたため、内部事情や作業手順を運営チームより把握している)
- 会議の進行や時間管理ができる(UXデザイナーとしてブレスト会場の設計・ファシリテーションをしていたため)
など。デザイナーの時は「できて当たり前」だったものが”強み”に変わったため、この強みが活かせそうな仕事を見つけると「これ、私やりましょうか?」と少しずつ立候補できるようになってきました。
まとめ
運営チーム主務になって半年。部署を越境して良かったと感じることは色々とありますが、特に良かったと思うのは「今まで見えていなかったものが見えるようになってきた=視野が広がった」という点です。
これらが見えたことで、デザイナーとしての動き方も見直していけそうだと考えています。例えば
- 運営の仕事をより理解できたことで、デザイナーとしてどう動けば運営チームの負担が減るか&コミュニケーションが取りやすいか考える
- 企画の考え方を学んだことで、デザイナーとしてより事業・サービスに貢献するためにはどういった思考・視点が必要なのか意識する
- 自分の強みを把握することで、貢献できると判断した仕事をより積極的に取りにいく・アピールする
など。まだ実践できていないことは多いですが、この半年での学び・気付きを活かして、よりサービス・会社に貢献できるデザイナーになりたいなと考えています。
最後に
もし今回の記事で「こういった働き方をしてみたい!」と思っていただけましたら、ぜひブックウォーカーの採用サイトを覗いてみてください。ご応募をお待ちしております!